エヴァSS

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#1:リツコ「えー、碇シンジくん。至急理科室に来なさい」

*ねるふ中学校理科室*

コン、コン。

「失礼しまーす」

「あら。遅かったわね、シンジ君」

「すみません赤木先生。ケン、じゃなくて相田君につかまっちゃって」

「構わないわ。他の二人もさっき来たところだから(…あのメガネ、あとでブチのめす)」

「はあ…」

「あとわかりにくいからリツコでいいわよ」

「リツコ」

「先生をつけなさい」

「リツコてんてー」

「がはっ!(かわいいすぎ…ショタサイコ―!!!)」

「って、そうじゃなくて他の二人?」

ばっ!

「あたしに決まってるでしょ!」

「うわあ!アスカ!?」

ばばっ!

「わたしもいるわ」

「ぎゃあっ!綾波ぃ!?」

「ふふ、ドッキリ大成功ね」

「ふん、バカシンジにしてはいい驚きっぷりじゃない」

「ふふ、ふたふたふたりともななななんでくぁwせdrftgyふじこlp…」

「碇君いくらなんでも驚きすぎよ。落ち着いて。ちょっとしたいたずらじゃない」

「まったく、そんなんじゃ”やつ”が襲ってきたときに対応できないわよ!」

「や、やつ?」

「碇君、それは伏線よ」

「こんなへったくそな伏線みたことないわー!」

「ヘタクソとはなによバカシンジ!」

「それで赤木博士。わたし達をここに呼んだのはなぜですか?」

(ここで華麗に軌道修正スキル発動、さすがわたしね。やっぱりメインヒロインはわたししかいないわ)

「ちょ、ちょっと待って!呼ばれたってどうやって!?」

「あたしはメールだけど」

「わたしもそうね」

「…リツコ先生なんでぼくだけ放送で呼んだんですか?」

「仕方なかったのよ」

「仕方ないって、なにが?」

「あなたの携帯のすべての情報はある人物に盗聴されてるの。だから携帯を使えばもれなくそいつもついてきたでしょうね」

「だれだよそれ!!!」

「その人の名は、碇ゲンドウ」

「あんのクソ親父ぃぃぃぃ!!!」 バキッ

シンジは携帯をへし折った。

「え、でも放送で呼んだって校長室にはそれこそ筒抜けなんじゃ」

「あ」

「あんたバカだろ」

「ええと、ま、まあ理科室の前にはセキュリティシステムがあるし、来てたとしてもいまごろはレーザーでもの言わぬ肉塊になっているでしょうね」

『ぎぃぃやあああああああああああああああああああああ!!!!!』

「…………」

「…………」

「は、話を戻すけど、あなた達には私の実験を手伝ってほしいの。こっちへいらっしゃい」


*ねるふ中学校理科準備室*

「なんですか、このできそこないのロケットみたいなの」

「じゃじゃーーん!これこそ私の最高傑作、タイムマシンよ!!!」

「あんたばかぁ!?」

「赤木博士、気を確かに」

「ふふふ、そういうと思ったわ。でもこれは本物よ。実際に使ってみれば分かるわ、さあはいってはいって」

「ちょ、ちょっとリツコ先生」

バタン!ガチャ!

「じゃあいくわよ〜」

「あのぼくたちまだ手伝うとは一言もいってないんですが…」

「老害の心残りを手伝ってあげるのも若者の役目よ、碇君。あきらめましょう」

《聞け!
太古の昔より世界を統べる天空の神々よ!
遥かなる深みより世界を蹂躙せし冥界の悪魔よ!
我はいま乞う!
禁断の契約に従いて我が血となり骨となり肉となれ!
――――――

「呪文を唱え始めた―!!」

「そのようね」

「ええっ、ちょ、あの人黒魔術でもおっぱじめる気ですか!?」

「すごい…リツコのMPがみるみる上昇していくわ」

「アスカも何言いだしてんのさ!?しかもMPって、マジックポイントだろ。一応科学者じゃなかったのかよ!」

「あんたばかぁ!?MPってのはマッドサイエンティストポイントの略に決まってんじゃない」

「長い!確かにこの状況を見る限り狂ってるけど!!」

――――――
万物は流転する。
時間もまた然り。
さすれば祝福されし三人の子らを刻の彼方へといざなわん!!》

「うっ…」

ここでシンジの視界はブラックアウトする。
しかしその刹那、リツコが手元のボタンをポチるのをシンジは見逃さなかった。

(詠唱必要ないじゃん…)


続く


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