エヴァSS

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#2:シンジ「あれ?ここどこだ?」

*第3新東京市 市街地*

ピッ

『あー、マイクテス、てすーてすー。きこえるーシンジくん?』

「あ、はい。聞こえます」

『さっき渡した無線の調子は良さそうね』

「それはそうですけど、無線が通じてるってことはやっぱりタイムマシンは嘘だったんですね」

『それは時間を超える無線通信機なのよ』

(嘘くさ…)

『ここからはこれであなた達をナビゲートするから好きなだけ未来の世界を楽しんで頂戴』

「はあ。じゃあまず聞きたいんですけど、ここどこなんですか?」

『ちょっと待ってて。そこは……どうやらこないだできたファミマの前あたりね』

「うーん…ファミマありませんけど」

『だから、未来の世界なんだってば。もう潰れちゃったんじゃないの』

「いまのところリツコ先生が嘘をついているという可能性が800%です」

『どうしてそこまで頑なに信じてくれないのよムキ―!!』

「いい年こいてムキ―とか言ってる大人は信用できません」

『マジショックさげぽよ〜』

「ギャル語でごまかしてもだめです」

『まあ、ともかく散策でもすれば信じるようになるわ。私はいつでもでれるようにしておくからなにかあったら言ってちょうだい』

ピッ

「はいはいわかりましたよ…って、ん?」

ピッ

「あのさっそく問題が」

『………………』

「ぼく達シューズのままなんですけど」

『………………』

「あれ?もしもーし」

しばらく待っていると録音音声が聞こえてきた。

『はい赤木です。いま食事中か入浴中か睡眠中か外出中かその他諸々の野暮用中で電話に出ることができません。メッセージを残される方は…』

「テラほったらかしwwwww(いや、草生やしてる場合じゃないだろ)」

ピッ

「はあ…。ていうかほんとにどうすんだよ。シューズのまま歩き回るわけにもいかないし」

「碇君、大丈夫よ。こんなこともあろうかとちゃんと靴を用意しておいたから」

「さっすが綾波さん!!イケメン!!!」

(これで物語もスムーズに進められるし、碇君の好感度もアップ!これでヒロインの座は確実ね)

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「で」

「「で?」」

「なんであたしの分だけないのよー!!!!」

「ああごめんなさい手がふさがってて持ちきれなかったの心から謝るわどうもすいませんでした(棒読み)」

(はっ!あなたの分なんて持ってくるわけないじゃない。せいぜい裸足で駆けずり回ってぼろぼろになった姿を碇君に晒すがいいわ!)

「ぐぬぬぬ。えこひいき〜〜!!!」

「じゃあ、いきましょうか。碇君」

「どこか靴が売ってるとこまでおぶるよ。ほら乗ってアスカ」

「「えっ!?」」

「いや、でもそんなのシンジにわるいし…」

「いいから。ほら早く」

「じゃ、じゃあ、その、お、おね…」

「ん?」

「なんでもないわよバカシンジ!!途中でへばったりしたら許さないからね!!」

「はいはい」

(シンジの背中、意外とおっきい…)

(んんんんんあ!??!!?あのアマァ〜!!!なに碇君とラブコメってんのよ!!!)

「じゃあ、あらためて行こうか」

シンジはさわやか笑顔でそう言ったのだった。
水面下で女子陣の熾烈な闘いがあったとは知らずに。


続く


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