エヴァSS

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#3:アスカ「お金はいつか返すから」

*第三新東京市 繁華街*

「いいわよ別に。あんなのはした金よ」

「それはあたしのプライドが許さないの。首を洗って待ってなさい!」

「まあまあ、アスカ落ち着いて。だいたい綾波が財布を持ってたおかげで靴が買えたんだからまずお礼言わないと」

「うっさいわよ!バカシンジ!!ふん!」

「もう…。ていうか綾波も財布に現金で50万いれてるのはどうかと思うけど…」

「だから言ってるじゃない。はした金よ。それにいまお金を持ってるのはわたしだけだし、遠慮はいらないわ」

「すごい金銭感覚だ…」

「それにしてもあたし達の時代の通貨が使えるってことは、ここは元の時代からそんなに離れてないのかもね」

「え!?アスカ、タイムマシンのこと信じてるの?」

「だって街並みもかなり違うし服装もどことなく違うような感じがするし。ま、確かめないことには確かなことは言えないんだけど」

「確かめるってどうやって?まさか人に聞くわけにはいかないし」

「そんなの自分で考えなさいよ!!!」

「……………はっ!」

「どうしたの、綾波?」

「碇君、ちょっと待ってて」 タッタッタッタ…

「え?ああっ、ちょっと!」

「行っちゃったわね」

「うん」

「この後、綾波レイにあんなことが起ころうとは、この時のシンジ達には知る由もなかった」

「なにいってんの、アスカ?」

「いいじゃない別に!わたしも一回でいいからこういうかっこいいナレーションがしたかったのよムキ―!!」

「色々聞きたいことはあるけどまずなによりもツッコませて。ムキ―流行ってんの!?」

タッタッタッタ

「あ!帰ってきた」

「はあはあ…。碇君、はいこれ」

「これ…新聞?」

「…ああ。そういうことね」

「そういうことって何が?」

「まだ分からないのバカシンジ?」

「碇君、新聞には必ず書いてあることがあるじゃない」

「…っ!そうか!!」

ペラ

「えー本日の株価は…」

「あんたばかぁ!!!!!!!!?」

「はい!あんたばかぁ、いただきました!!」

「ここまで見事なあんたばかぁは史上初ね」

「あんた達…バカにしてんの?」 ガシッ

「じょ、じょうだんでふ…だから手を…放して…く、くるし…」

「まったく、次やったらほんとに殺すわよ」

「………………」

「あなた、もう解放してやったみたいな口ぶりだけどまだ手を放してないわよ」

「あ…」 ぱっ

「げほっげほっ…そ、それでなんの話だっけ?」

「新聞」

「ああそうそう。つまりふたりが言いたかったのは新聞で日付を確認しろってことだよね」

「なによ、分かってんじゃない」

「………っ!!これは!!」

「どうしたの?碇君」

「アスカ、僕たちは西暦何年にいたんだっけ?」

「2015年だけど」

「……2041年になってる」

「うそ!?それって…つまり」

「タイムマシンは本当だったってことね」

「そんな…」

リツコ先生と連絡が取れず。
知り合いもいない。
26年後のこの世界で。
ただの子供の僕たちが。
3人だけ取り残されて。
それはつまり。
つまり。

「ここからずっと俺のターンwwwwwwww」

「はい?」

「シンジあんたなにいってんの?」

だって考えてもみろ。
さっきのボケじゃないけど、株を調べて帰るだけでも大儲けだぜ。
しかも僕たちを知っている人はいない。
旅の恥はかき捨てというが、少々のことなら許されるんじゃね―の。

「うはーみwなwぎwっwてwきwたw」

「なんかシンジのテンションがおかしい…」

「ウザい」

三者三様の気持ちを抱きながら、物語は進行していくのだった。


続く

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